置き配や宅配ボックスは、不在でも荷物を受け取れる便利な仕組みです。
でも、これから利用しようとしている人の中には、こんな心配もあるでしょう。
確かに、自宅の外に荷物を置く以上、盗難リスクを完全にゼロにすることはできません。
だからといって、何も対策できないわけでもありません。
宅配ボックスの選び方・設置場所・固定・施錠・荷物の回収方法などを工夫することで、盗難リスクを下げることはできます。
この記事では現役配達員の私が、実際にさまざまな家へ荷物を届けてきた経験も踏まえて、宅配ボックスや置き配の盗難対策7選を紹介します。
結論|盗難対策は「鍵」だけではない
宅配ボックスの防犯というと、頑丈な鍵が付いた製品を想像するかもしれません。
もちろん施錠は重要です。
でも実際には、それだけではありません。
私が配達する側から見ても、
- 道路からどのくらい見えるか
- ボックス自体を簡単に持ち去れないか
- 荷物を入れたあと施錠できるか
- 配達員が迷わず正しく使えるか
- 荷物が長時間放置されないか
といった部分も重要です。
宅配ボックス・置き配の盗難対策7選
今回紹介するのは次の7つです。
- ① 道路から荷物が目立ちにくい場所にする
- ② 宅配ボックス自体を固定する
- ③ 施錠できる宅配ボックスを使う
- ④ 配達完了後はなるべく早く回収する
- ⑤ 配送指示で置き場所を分かりやすくする
- ⑥ 防犯カメラ・センサーライトを利用する
- ⑦ 高価な荷物は受け取り方法を変える
全部をやらなければいけないわけではありません。
自宅の環境に合わせて、できるものを組み合わせてみてください。
① 道路から荷物が目立ちにくい場所にする
最初に考えたいのが、置き場所そのものです。
現在ヤマト運輸も、置き配場所を指定するときは、荷物を安全に届けるために人目につきにくく、風雨の影響を受けにくい場所を指定するよう案内しています。
これは配達する側から見ても納得できます。
たとえば道路沿いの玄関で、段ボールが通行人から丸見えになる場所と、玄関脇の壁で少し死角になる場所。
同じ玄関周辺でも、荷物の見え方はかなり違います。
目指したいのは、
配達員には見つけやすい。
でも通行人には荷物そのものが目立ちにくい。
という状態です。
玄関横・壁際・軒下など、自宅の構造を見ながら考えてみましょう。
宅配ボックスの設置場所についてはこちらで詳しく解説しています。
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宅配ボックスはどこに置く?現役配達員が『ここに置いてほしい』と思う設置場所
続きを見る
② 宅配ボックス自体を固定する
次に確認したいのが、ボックスそのものを持ち去られないかです。
いくら扉に鍵が付いていても、小型で軽い宅配ボックスが何にも固定されていなければ、箱ごと移動できてしまいます。
製品によっては、
- 盗難防止ワイヤー
- アンカー
- 専用固定金具
- ボルト固定
- 重量のある据え置き構造
などが用意されています。
どの方法が使えるかは、製品と設置場所によって違います。
戸建てならアンカー固定できる場合もありますが、賃貸住宅や集合住宅では床・壁への穴あけができない場合があります。
管理規約や賃貸借契約なども確認してください。
③ 施錠できる宅配ボックスを使う
荷物を入れたあとに施錠できることも基本的な防犯対策です。
宅配ボックスには、
- 荷物を入れて扉を閉めるとロックされるタイプ
- レバーなどを操作して施錠するタイプ
- 南京錠を利用するタイプ
- 暗証番号などを利用するタイプ
など、さまざまな方式があります。
ここで私が配達員として重視したいのが、操作方法が分かりやすいことです。
購入するときは防犯性能だけでなく、
「初めて使う配達員でも迷わず荷物を入れて施錠できるか」
という視点でも確認してみてください。
④ 配達完了後はなるべく早く荷物を回収する
どんなに防犯対策をしていても、荷物を外に置いている時間が長くなれば、その分だけ気になる時間も長くなります。
配達完了通知が届いたら、帰宅後なるべく早めに回収しましょう。
これは盗難対策だけではありません。
マンションなどの共用宅配ボックスでは、一つの荷物が長時間入ったままだと、そのボックスを次の住人が利用できません。
通販サイトや配送会社のメール・アプリなどで配達完了通知を受け取れるようにしておくと、荷物が届いたことにも早く気づけます。
置き配写真を確認できる配送サービスもある
現在は、置き配後の荷物の状態を写真で確認できる配送サービスもあります。
たとえばヤマト運輸では、
- 玄関ドア前
- ガスメーターボックス
- 車庫
- 物置
- 自転車かご
などへの置き配では、荷物詳細から配達時の荷物画像を確認できる仕組みがあります。
一方、宅配ボックス・建物内受付/管理人預けでは写真撮影を行っていないとヤマト運輸は案内しています。
つまり写真は防犯装置そのものではありませんが、
「配達時点で、どこにどのような状態で置かれたのか」
を確認する材料にはなります。
⑤ 配送指示で置き場所を分かりやすくする
配送指示も、置き場所を適切に伝えるという意味で役立ちます。
たとえば、単に、
玄関前へお願いします。
だけでは、玄関前のどこへ置くかは現場で判断することになります。
配送サービス上、具体的な情報を伝えられる場合は、自宅の状況に応じて、
玄関右側の宅配ボックスへお願いします。
入らない場合は玄関脇の雨が当たりにくい場所へ。
など、配達員が場所を特定しやすい情報があると分かりやすくなります。
ただし、配送指示に書いた内容がすべての荷物で必ず実行されるわけではありません。
配送会社・荷物・配送サービス・安全性などによって対応できない場合もあります。
配送指示の具体的な書き方はこちら。
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Amazonの配達指示・備考欄には何を書く?現役配達員が例文を紹介
続きを見る
実際に見た「配達員には分かる。でも通行人には見えにくい」工夫
ここで、私が実際に配達中に見た例を紹介します。
ある戸建て住宅へ荷物を届けたとき、その家は不在でした。
不在票を入れようとして、フタを開けるタイプの郵便受けを開けると、そのフタの内側に小さなメモが貼ってありました。
配達員さんへ
不在の時は車庫の奥にある物置に荷物を置いてください。
かぎはかかってません。
私が面白いと思ったのは、その案内が道路から見えなかったことです。
家の前を歩いている人からは、どこに荷物を置くのか分かりません。
一方、配達員は不在票などを入れるために郵便受けを確認することがあります。
つまり、
配達員には受け取り場所を伝える。
でも通行人には大きく知らせない。
という工夫になっていました。
ただし、郵便受け内のメモに必ず気づいてもらえる保証はありません。
また、メモそのものが配送会社の正式な置き配指定になるわけでもありません。
利用する配送サービスで正式な置き配場所を指定できる場合はそちらを利用し、表示は場所を分かりやすくするための補助として考えるのがいいでしょう。
自転車かご・物置・車庫などを置き配場所として利用するときの注意点はこちらで解説しています。
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自転車のカゴ・物置・倉庫を置き配場所にする方法と注意点
続きを見る
⑥ 防犯カメラ・センサーライトを利用する
置き配や宅配ボックスを頻繁に利用する家庭なら、防犯カメラを設置する方法もあります。
現在は、
- 人の動きを検知して録画する
- スマートフォンから映像を確認する
- 動きを検知すると通知する
- 夜間撮影に対応する
といった機能を持つ製品もあります。
製品によって機能は違うため、購入するときは設置環境に合うか確認してください。
また、夜間なら人の動きに反応するセンサーライトを併用する方法もあります。
宅配ボックス周辺に使いやすい防犯カメラについてはこちらで紹介しています。
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宅配ボックス用に防犯カメラは必要?配達員目線で考えてみた
続きを見る
古いスマホを簡易的な防犯カメラとして使う方法もある
「いきなり防犯カメラを買うのはちょっと……」という人なら、家に眠っている古いスマートフォンを利用する方法もあります。
対応するアプリなどを使えば、古いスマホのカメラを簡易的な見守りカメラとして利用できる場合があります。
ただし、屋外で使う場合は、
- 雨や湿気
- 夏場の高温
- 直射日光
- 電源の確保
- Wi-Fiなどの通信環境
- 近隣住宅や共用部分のプライバシー
などに注意が必要です。
古いスマホを防犯カメラとして利用する方法はこちら。
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使っていないスマホを宅配ボックス用防犯カメラにする方法
続きを見る
⑦ 高価な荷物は受け取り方法を変える
最後は、宅配ボックスそのものを強化するのとは少し違う方法です。
高価な商品なら、そもそも置き配を使わない。
これも重要な選択肢です。
商品・販売店・配送サービスによって利用できる方法は異なりますが、
- 在宅できる日時に受け取る
- 対面で受け取る
- 利用できる場合は店舗やロッカーなどで受け取る
といった方法も検討できます。
実際、ヤマト運輸の現在の置き配サービスでも、高額品など置き配を利用できない荷物があります。
簡易宅配ボックス・置き配バッグは固定方法も確認する
折りたたみ式の宅配ボックスや置き配バッグは、工事なしで使えるのが大きなメリットです。
その一方、本体が軽い製品もあります。
製品に盗難防止ワイヤーなどが用意されている場合は、説明書に従って適切に固定しましょう。
ただし、ワイヤーを付けても固定先そのものが簡単に外れる場所では十分とはいえません。
どこにつなぐかまで確認してください。
またマンション・アパートでは、共用部分への設置や固定について管理規約などの確認も必要です。
「見つけやすさ」と「見えにくさ」は両立できる
配達員目線で、この記事で特に伝えたいのがこれです。
配達員には見つけやすい。
通行人には荷物そのものが目立ちにくい。
この二つを両立させることです。
たとえば宅配ボックス自体は配達員が確認できる位置に置き、必要に応じて、
玄関右側、植木の横にある黒い宅配ボックス
など、場所を特定しやすくしておく方法があります。
「隠す」のではなく、「必要な人には分かる」状態を作る。
この考え方がおすすめです。
宅配ボックス盗難対策チェックリスト
宅配ボックスを設置したら、一度この7項目を確認してみてください。
- 道路から荷物そのものが丸見えになっていない
- 宅配ボックス本体を簡単に持ち去れない
- 荷物を入れたあと施錠できる
- 初めて来た配達員でも使い方が分かる
- 配達完了に早く気づける
- 帰宅後なるべく早く荷物を回収している
- 必要に応じてカメラやライトも利用している
まとめ|宅配ボックスは「買う」だけでなく「置き方」まで考える
宅配ボックスや置き配は、不在時の荷物受け取りや再配達を減らすために便利な方法です。
ただし、自宅の外に荷物を置く以上、盗難リスクを完全にゼロにできるわけではありません。
そこで、
- 人目につきにくい場所を考える
- ボックス本体を固定する
- 荷物を施錠する
- 早めに回収する
- 置き場所を配達員に分かりやすくする
- 必要なら防犯カメラを使う
- 高価な荷物は対面など別の方法で受け取る
といった対策を、自宅環境に合わせて組み合わせてみてください。
配達員には分かる。でも荷物は通行人から目立ちにくい。
まずは自宅の玄関を道路側から一度見て、「荷物がどう見えるか」「宅配ボックスを簡単に動かせないか」をチェックしてみてください。