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再配達を減らす方法

送料無料は本当に無料?再配達にかかるコストは結局誰が負担する?

ネット通販を利用していると、よく見かける言葉があります。

「送料無料」

送料無料の商品なら、

送料がかからないならお得だね!

と思いますよね。

もちろん購入者から見れば、商品代金とは別に送料を請求されないという意味で「送料無料」と表示されている商品やサービスがあります。

でも、商品が瞬間移動して自宅まで届くわけではありません。

荷物を届けるためには、

  • トラックや軽バンなどの車両
  • 燃料
  • 物流センターや営業所
  • 仕分け作業
  • 配達員の人件費

などが必要です。

つまり「送料無料」と表示されていても、配送そのものが0円で行われているわけではありません。

これは国土交通省も公式に説明しています。

そして、現役配達員として特に考えてほしいのが再配達です。

一度届けに行った荷物を持ち帰り、もう一度同じ家へ届けに行く。

当然、そこにも人の時間や車両の移動などが必要になります。

この記事では、「送料無料」の向こう側にある物流コストと、なぜ再配達を減らすことが大切なのかを、現役配達員の立場から考えてみます。

結論|「送料無料」でも配送コストは発生している

最初に、ここはハッキリさせておきましょう。

送料無料=配送にお金がかかっていない、ではありません。

国土交通省も、通信販売サイトなどで「送料無料」と記載されている場合でも、実際には配送にコストが発生していると説明しています。

購入者が「送料」という名目で別途料金を支払っていなくても、商品を自宅まで運ぶ物流そのものが無料になったわけではありません。

誰が、どのような形でその費用を負担しているのかは、通販会社・販売店・配送事業者との契約・商品などによって異なります。

そのため、

「送料無料の商品は、必ず送料分が商品価格に上乗せされている」

と一律に断定するのは正確ではありません。

ただし、

商品を購入者の家まで運ぶ以上、物流コストそのものは存在する。

これは覚えておいてほしいポイントです。

実は「送料無料」という表示自体も見直しが進められている

「送料無料」という言葉については、国も以前から問題意識を示しています。

理由の一つは、物流サービスそのものが無料で提供されているような誤解につながる可能性があるからです。

消費者庁は2023年、「送料無料」表示をする場合には、その理由や仕組みなどを分かりやすく説明するよう事業者側に促しました。

たとえば、

「送料当社負担」

「商品価格に送料込み」

など、誰が送料を負担しているのかが分かりやすい表示も考えられます。

現役配達員たつみ
「送料無料」という文字だけを見ると、配送そのものにお金がかかっていないように感じる人もいると思います。でも実際には、その荷物を運んでいる人も車もいるんですよね。

荷物1個が家に届くまでには多くの工程がある

ネット通販はとても簡単です。

スマホで商品を選んでボタンを押せば、数日後には玄関まで届きます。

でも、その裏側ではさまざまな工程があります。

  • 商品を用意する
  • 梱包する
  • 仕分けする
  • 地域の物流拠点まで輸送する
  • 配達車両へ積み込む
  • 一軒一軒の住所まで運ぶ
  • 玄関など指定された場所まで届ける
現役配達員たつみ
最後の配達だけを見ても、荷物を車に積んで、住所まで走って、停車して、荷物を探して、玄関まで運びます。荷物が勝手に家まで来ているわけではないんですよね。

では、再配達になると何が起きる?

一度目の配達で荷物を渡せず、利用できる置き配などの方法もなければ、荷物を持ち戻ることがあります。

そして再配達になれば、もう一度その荷物を届ける作業が必要になります。

step
1
1回目の配達

荷物を積んで、自宅まで届けに行きます。

step
2
受け取れず持ち戻り

その場で利用できる受け取り方法がなければ、荷物を営業所などへ持ち戻る場合があります。

step
3
再び配達

再配達の依頼などに応じて、もう一度荷物を届けます。

つまり、一つの荷物を届け切るために追加の配送作業が発生するわけです。

現役配達員たつみ
配達する側からすると、一回で届けられる荷物と、同じ家へもう一度行かなければならない荷物では、当然かかる手間が違います。

2026年4月調査でも宅配便の約7.6%が再配達

再配達率は以前より下がってきています。

国土交通省が2026年4月に大手宅配事業者を対象として行ったサンプル調査では、宅配便の再配達率は約7.6%でした。

一方、置き配などを含む多様な受取方法の利用率は約31.0%となっています。

つまり、再配達は減ってきているものの、今も一定数の荷物が一度の配達では届け切れていません。

2026年3月31日に閣議決定された「総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)」では、2030年度までに「多様な受取方法の利用率」を50%程度にすることが目標の一つとして掲げられています。

宅配ボックスや置き配など、「不在でも一度で受け取れる方法」を利用しやすくすることが、国の物流政策としても進められています。

再配達は「配達員がもう一回来るだけ」ではない

私は実際に配達員として働いているので、ここは特に伝えたいところです。

再配達というと、

また持ってきてもらえばいいじゃん。無料なんだし。

と思う人もいるかもしれません。

実際、配達をしていて、

「再配達は無料なんだから、受け取れるまで何回でも持ってきてもらえばいい」

という趣旨の考え方に触れたこともあります。

もちろん、予定外の外出や仕事、急用などで荷物を受け取れないことは誰にでもあります。

一度再配達になったから悪い、という話ではありません。

私自身、通販を利用する側でもあります。

ただ、再配達する荷物だけ時間が止まっているわけではありません。

その日にも別のお客さんへ届ける荷物があります。

そこへ再配達分の荷物も加わります。

現役配達員たつみ
「もう一回持ってくるだけ」と言えばそれまでなんですが、その一回にも時間がかかります。車も走ります。ほかの荷物もあります。配達する側にいると、この「もう一回」の違いは結構大きいです。

再配達は環境面やドライバー不足にも関係する

再配達の問題は、配達員の手間だけではありません。

国土交通省は、宅配便の再配達について、CO2排出量の増加やドライバー不足を深刻化させるなどの社会問題につながると説明しています。

一度で届けられれば必要なかった車両移動や作業が、再配達によって追加される場合があるからです。

過去には国土交通省が、再配達によるCO2排出量やドライバーの労働力への影響を数値で試算したこともあります。

ただし、それらには古い年度の推計もあります。

そのためこの記事では、古い数字をそのまま、

「現在も毎年これだけ発生している」

とは扱いません。

重要なのは、

再配達を減らすことは、配達員の負担だけでなく、余分な車両移動やCO2排出を減らすことにもつながる。

ということです。

では、再配達にかかるコストは誰が払っている?

ここがこの記事で一番難しいところです。

再配達にかかる費用は、結局誰が負担しているのでしょうか。

これは単純に、

「全部消費者です」

「全部通販会社です」

「全部配送会社です」

と一つに決めることはできません。

契約やサービスによって、

  • 販売店
  • EC事業者
  • 配送事業者
  • 購入者

など、物流コストの負担のされ方は異なります。

「再配達1回につき○円が、そのまま商品の値段に上乗せされている」などと単純化するのは正確ではありません。

ただし、再配達によって追加で必要になる人手や車両移動など、物流上の負担そのものが消えてなくなるわけではありません。

国土交通省も「送料無料」の場合にも配送コストは実際に発生しており、再配達によってCO2排出量の増加や労働生産性低下による社会的損失が発生すると説明しています。

だから「通販を使うな」ではなく「一回で受け取れる仕組み」を作る

ここまで読むと、

じゃあネット通販を使う回数を減らした方がいいってこと?

と思うかもしれません。

でも、私が言いたいのはそこではありません。

私自身、ネット通販を使います。

Amazonも利用します。

便利なんだから、使えばいいと思っています。

その代わり、

できるだけ一回の配達で受け取れる環境を作る。

これが大切だと思っています。

たとえば、

  • 確実に在宅している時間を指定する
  • 宅配ボックスを設置する
  • 利用できる荷物では置き配を使う
  • 配送指示を分かりやすくする
  • 利用可能ならコンビニや宅配ロッカーなどで受け取る
  • 配送会社などの通知サービスを利用する

といった方法があります。

国土交通省も2026年度の「再配達削減PR月間」で、置き配・コンビニ受取・駅の宅配ロッカーなどの多様な受取方法の活用と、確実に受け取れる日時や方法の選択を呼びかけています。

私自身も「一回で受け取れる家」を意識している

私は配達員ですが、自分自身もネット通販を利用する側です。

だから自宅でも、なるべく一回で荷物を受け取れるようにしています。

現在は、荷物の大きさや状況に応じて、

第一候補:ガスメーターボックス
↓ 入らなければ
第二候補:OKIPPA
↓ それでも難しければ
第三候補:玄関前

という形で、受け取り場所を複数考えています。

現役配達員たつみ
配達員だから特別なことをしているわけじゃありません。「一つ目がダメだったら次はここ」という受け皿を作っているだけです。

第一・第二・第三候補という考え方はこちらで詳しく紹介しています。

Amazonの配達指示は第一・第二・第三希望まで書こう!配達員が助かる書き方

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再配達を減らす10の方法をまとめています

このブログでは、一回で荷物を受け取れる可能性を高くする方法を別の記事でまとめています。

時間指定だけではなく、宅配ボックス、置き配、配送指示、受取場所など、いろいろな方法があります。

再配達を減らすために私たちができる10のこと【現役配達員からのお願い】

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宅配ボックスも再配達対策の一つ

そして、このブログで中心的に紹介しているのが宅配ボックスです。

利用できる荷物であれば、不在でも荷物を受け取れる環境を作れるため、再配達対策と相性のいい設備です。

ただし、宅配ボックスなら何でもいいわけではありません。

荷物が入らないほど小さかったり、配達員が見つけられなかったり、使い方が分からなかったりすれば利用できないことがあります。

宅配ボックスのサイズ選びについてはこちら。

宅配ボックスの大きさは何L必要?現役配達員がサイズ選びを解説

続きを見る

配達員が使いやすい宅配ボックスの条件はこちらで解説しています。

配達員が「これなら入れやすい」と思う宅配ボックス7つの条件

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配送指示も活用する

もう一つ、配達員としておすすめしたいのが配送指示です。

Amazonなど、配送指示を利用できるサービスなら、

「どこへ届けてほしいのか」

を分かりやすくしておくことで、現場で配達員が判断しやすくなる場合があります。

ただし、配送指示に書けば、すべての注文・配送会社・荷物で必ずそのとおりになるという意味ではありません。

利用できる受け取り方法は、注文や配送サービスなどによって異なります。

Amazonの配送指示・備考欄の書き方についてはこちらで例文まで紹介しています。

Amazonの配達指示・備考欄には何を書く?現役配達員が例文を紹介

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「送料無料」の便利さと物流コストは別の話

ネット通販は本当に便利になりました。

スマートフォンから注文すれば、自宅まで商品を届けてもらえます。

しかも、購入者側から見れば送料を別途支払わない商品も珍しくありません。

この便利さを否定する必要はないと思います。

ただ、

画面に「送料無料」と表示されていることと、荷物を運ぶためのコストが0円であることは別。

ここは知っておいてほしいと思います。

現役配達員たつみ
俺も通販を使うので、「再配達になったらダメ」なんて言うつもりはありません。予定が変わることだってあります。ただ、最初から何回でも持ってきてもらえばいいと考えるより、一回で受け取れる方法を一つ作っておく。それだけでもかなり違います。

まとめ|「送料無料」の向こう側には物流がある

「送料無料」は、購入する側にとってありがたいサービスです。

しかし、その荷物を届けるためには、

  • 人が働く
  • 車両が走る
  • 燃料や電力などが使われる
  • 物流拠点が動く

といった物流の仕組みがあります。

そして再配達になれば、一つの荷物を届け切るために追加の作業が必要になる場合があります。

だからこそ、

「送料無料だから何度再配達しても同じ」ではなく、できるだけ一回で受け取れる方法を作っておく。

これが大切です。

現役配達員たつみ
宅配ボックスでも、置き配でも、時間指定でもいいんです。自分の生活に合う方法で「一回で受け取れる確率」を上げる。それだけでも配達する側としては本当に助かります。

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